税制上の優遇措置が「長期優良住宅」の着工数を押し上げています。
「長期優良住宅」とは、耐震性や省エネルギー性、維持管理の容易性、
バリアフリー性、劣化対策などに優れた住宅のこと指しています。
昨年6月に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づいて
長期優良住宅の認定制度がスタートし、これに認定される住宅を建てると、
税制上のさまざまな特例を受けることができるというものです。
国土交通省によると、同法が施行された平成21年6月から同22年3月までの認定数は、
全住宅着工戸数の10の1 にあたる5万7103件。
認定を受けることでさまざまな優遇税制が利用できるようになることが、
堅調な推移の一因として考えられています。
認定されると受けられる優遇税制としては、まず、住宅ローン減税が挙げられます。
一般住宅を対象としたローン減税の控除額が最大500万円であるのに対し、
長期優良住宅は最大600万円と拡充されています。
また、平成23年12月31日までの措置として、「投資減税型の特別控除の創設」が
設けられていることも着工の強い後押しとなっているようです。
これは、居住者が認定長期優良住宅を新築し、居住の用に供した場合には、
標準的な性能強化費用相当額の10%をその年分の所得税額から控除するというものです。
上限は1千万円で、控除しきれない金額がある場合には、翌年分に繰り越せます。
なお、ここでいう「標準的な性能強化費用相当額」とは、
木造の場合は3万3000円/平方メートル、鉄骨鉄筋コンクリート造および
鉄筋コンクリート造は3万6300円/平方メートル、
鉄骨造は3万3000/平方メートルなどとなっています。
優遇措置は地方税でも設けられており、「登録免許税」が一般住宅より引き下げられ
0.1%となっています。
「不動産取得税」の課税標準からの控除額は、一般住宅1200万円のところ1300万円に。
「固定資産税」の2分の1減額措置適用期間は、一般住宅の場合戸建て3年間
マンション5年間のところを、戸建て5年間・マンション7年間に拡充。
これらの措置は平成22年3月31日で終了予定だったが、同22年度の税制改正により
同24年3月31日まで延長されました。
国税庁はこのほど、平成22年度税制改正で消費税法の一部が
改正されたことに伴い、消費税法基本通達を一部改正し公表しました。
税制改正では、消費税の調整対象固定資産に係る仕入税額控除の
調整措置が過大であった場合に減額する調整措置の対象となるように
消費税法が一部改正されています。
これは、本来なら還付されない賃貸マンション等の建設に係る消費税を、
敷地内に自動販売機を設置し、その販売手数料の課税売上を発生させて
建設に係る消費税を還付させる手法を防止する措置です。
調整対象固定資産は棚卸資産以外の資産で税抜き100万円以上のもので、
当初の課税売上割合が以後3年間の通算課税売上割合と比べて
著しく増減したときは、第3年度の課税期間において仕入税額控除の
調整を行う必要があります。
しかし、節税手法では、3年目に免税事業者あるいは簡易課税を選択する
ことで調整対象からはずれ、1年目に受けた還付を丸々享受していました。
そこで税制改正では、事業者免税点制度の適用を受けないこととした
事業者の当該選択の強制適用期間(2年間)、資本金1000万円以上の新設法人につき、
事業者免税点制度を適用しないこととされる設立当初の期間(2年間)に、
調整対象固定資産を取得した場合、その取得があった課税期間を含む3年間は、
引き続き事業者免税点制度を適用できないことにすることで、行き過ぎた節税を
封じています。
通達改正では、課税売上割合が著しく変動したときの調整は、調整対象固定資産を
第3年度の課税期間の末日に保有している場合に限って行うこととされていますが、
この3年間課税事業者となることを強制する制度は、資産の売却の有無などに関係なく
継続して適用されることなどが明らかにされています。
東京都調布市は、携帯電話を利用した税の納付手続きの対象を、
2009年度から実施している軽自動車税に続き、5月から市・都民税、
固定資産税などにサービスを拡大しました。
市や金融機関の窓口、コンビニエンスストアに行かなくても
手軽に納税できることで、市は携帯電話の利用に慣れている
若い納税者などの利用が広がることを期待しているようです。
これまでは、軽自動車や原付バイクの所有者を対象にした
軽自動車税のみが対象でした。
今回、新たに利用できることになったのは、市・都民税(普通徴収分)
固定資産税(土地・家屋・償却資産)・都市計画税・国民健康保険税の
各税目で国民健康保険税(7月1日から)を除いていずれも5月1日から
利用が可能になっています。
納付方法は、まず
1)納付書に記載されているバーコードを携帯電話のカメラで読み取る、
2)支払内容を確認、
3)金融機関を選択、
4)モバイルバンキングにログイン、
5)支払い、と簡単な手続きで完了します。
利用できる携帯電話はNTTドコモ、au、ソフトバンクが
発売している各機種となっています。
また、利用可能な金融機関は、みずほ・三菱東京UFJ・三井住友
・りそななどの各銀行と、さわやか・芝・西武・昭和などの各信用金庫です。
利用にあたっては、事前に金融機関へモバイルバンキングの
申込手続きが必要ですが、払込手数料は無料となっています。
2009年度(2009年4月~2010年3月)に「不適切な会計処理」が発覚した
上場企業(連結ベース)は16社あったことが㈱帝国データバンクの
調べで明らかになりました。
2008年度(22社)に比べて6社減少したものの、2006年度(19社)に急増して以降、
「高水準で推移する結果となった」(TDB)。
2004年度以降の6年間での発覚は合計88社にのぼります。
不適切な会計処理の内容(複数に当てはまるケース有り)は、
「売上・資産等の水増し」が13社(2008年度:20社)と最も多く、
次いで「子会社によるもの」が8社(同7社)、
「経費・負債等圧縮」が5社(同4社)と続きます。
2008年度に8社を数えた「循環取引」は1件もありませんでした。
2009年度の発覚後の動向は、「改善報告書の提出」が4社、
「課徴金納付命令」が4社、「特設注意市場銘柄に指定」が2社でした。
上場廃止(合併や倒産含む)に追い込まれた企業はありませんでした。
ちなみに2004年度~2008年度にかけて上場廃止となった企業は29社です。
16社の内訳は、次の通りです。
2009年4月:ダイキン工業、5月:SBR、6月:くろがね工作所、アルデプロ、
7月:CHINTAI、8月:中央化学、10月:ミツウロコ、KYB(カヤバ工業)、
11月:モジュレ、リンク・ワン、12月:アジア航測、アイロムホールディングス、
2010年1月:JVC・ケンウッド・ホールディングス、
2月:近畿日本鉄道、アーム電子、3月:エムスリー
といった社名が上がっています。
2009年の給与所得世帯の税金の合計は、給与所得世帯の所得減少に伴い、
所得税が月平均額2万1556円、前年比11.7%減と大きく減少した影響から、
月平均額4万8967円、同5.1%減と、2005年以降5年ぶりに減少したことが、
日本生活協同組合連合会がこのほど発表した2009年「全国生計費調査」
結果速報(有効回答数1566世帯)で分かりました。
また、全モニター世帯の税金と社会保険料の合計の月平均額は、
11万1009円で同3.3%減でした。
内訳は、「税金」が4万8967円、「社会保険料」が6万2042円。
「税金」は月平均2651円の減少、「社会保険」は1100円の減少と、
「税金」の負担割合が増えました。
この結果、合計で3751円の減少となり、収入に占める割合も前年から0.2ポイント減の
17.9%%となったが、20008年に次ぐこの10年間では2番目の高水準です。
一方、日本生協連では、「全国生計費調査」とは別に「家庭で負担した消費税の調査」
を行っています。
2009年は50生協833世帯(有効回答数)の協力で1年間の消費税の負担実態を集計
した結果(速報)、年間消費税負担額は、1世帯あたり平均17万2000円でした。
収入に占める割合は2.46%、消費支出に占める割合は3.54%で、
消費支出が伸びることのない状況のなかでは、金額・割合ともに
ここ数年大きな変化はない。
2009年の1世帯あたり年間消費税額を所得階層別にみると、
負担額は、年収「1000万円以上」の世帯で27万4000円、
「400万円未満」の世帯で10万2000円と2.68倍となっています。
しかし、年収に占める負担割合では、「400万円未満」の世帯で3.30%と高く、
「1000万円以上」世帯の2.12%の1.56倍という負担率となっています。
年収に占める負担割合は、低収入世帯ほど高い状況が分かります。
これらの調査結果速報の詳細は↓
http://jccu.coop/info/pressrelease/pdf/press_100326_01_01.pdf
事業年度終了時の資産状態の著しい悪化を理由に外国子会社株式の評価損が
認められるか否かが争われた事案で、国税不服審判所は事業年度終了時までの
子会社の業況等のみではなく、具体的な実行が決定されている事業計画等までも
含めて判断するのが相当であるから、子会社株式の評価損を否認した
原処分を妥当と判断、審査請求を棄却しました。
この事案は、親会社である請求人の子会社の資産状況が著しく悪化したことに
伴い株式の価額が著しく低下したとして損金に算入して申告したことが
発端になったもの。
これに対して原処分庁が子会社株式の価額の回復可能性がないとはいえず、
また子会社に対する増資払込後1ヵ月程度が経過した事業年度終了時に
評価損が計上されており、増資から相当の期間が経過していないことからも、
子会社の業績等の回復見込みがないとはいえないと判断、更正処分等をしてきました。
そこで請求人は、増資の実質はつなぎ資金の貸付けであり、子会社の業績回復に
直結する経済的効果はなく、株式の価額に回復は見込まれないと反論、
損金算入を認めるべきと主張して原処分の取消しを求めていた事案です。
しかし裁決は、株式の価額の回復可能性は事業年度終了時の株式発行法人の
業況等のみではなく、既に実行が決定されている事業計画等がある場合は
それまでも含めて検討するのが相当と指摘。
しかも、請求人の取締役会で外国事業の経営改善計画として追加出資を行うことが
決定されている以上、その経営改善計画の実施によって単年度ベースで利益が生じ、
資産状態が改善の方向にあることも認められるから、事業年度終了時において
株式の価額の回復が見込まれないとまではいえないと判断、審査請求を棄却しています。
東京税理士会は、「平成23年度税制及び税務行政の改正に関する意見書」
を公表しました。
意見書は4章から成り、1章の「意見書の基本的考え方」では、
民主党政権の22年度大綱の「納税者主権の確立に向けて」のテーマを踏まえ、
1)負担能力に応じた公平性に配慮した税政
2)立法過程などの透明性に配慮した税制
3)国民の納得を得られる税制
4)時代に適した税制、について十分配慮し、「所得・消費・資産に
バランスよく課税していくことが重要」としている。
これらを実現するために、国税通則法の改正と国税不服審査制度の
見直しや税制と社会保障制度の一体化及び共通番号制度の導入、
租税特別措置法の見直しなどをきめ細かく実施していくことが
重要としています。
具体的な税制及び税務行政に関する意見では、43支部の法対策委員会等から
210件の意見要望事項が寄せられ、支部長会の協議及び理事会の議決を経て、
前年度の79項目の要望より大幅に圧縮した43項目の改正要望を決めています。
23年度改正意見として新規に要望したのは次の5項目。
1)所得控除全体の見直しと人的控除部分の給付付き税額控除制度への移行。
2)退職所得課税を見直す。
3)「課税事業者選択(不適用)届出書」及び「簡易課税制度選択届出書」の提出期限を、
適用を受けようとする課税期間の前課税期間分の確定申告期限までとする。
4)直系尊属からの住宅取得等資金の贈与税の非課税措置の所得要件を撤廃するとともに、
対象を省エネ商品等の取得資金にも拡大する。
5)経済的利益に対する給与課税の適正化を図る。
国税庁は、「国税徴収法基本通達の全文改正について」
(法令解釈通達:昭和41年8月22日付徴徴4-13ほか5課共同)の一部改正を予定、
改正案を同庁ホームページ上で公表し、パブリック・コメントに付しました。
同改正案についての意見は、5月13日(木)必着で、国税庁徴収部徴収課またはFAX
もしくはホームページ上の投稿フォームから提出できるようになっています。
今回の改正は、公売財産の評価等に関する解釈の明確化を図るとともに、
保険法など関係法令の改廃に対応したものです。
例えば、見積価格の決定に当たって、価格形成要因に市場性減価や
公売特殊性減価を適切に反映させる(第98条関係1)ことや、
複数回にわたって公売に付しても入札がなく、これ以上公売に付しても
入札が見込まれない場合は、国税徴収法第79条第1項第2号に該当するものと
する(第79条関係6-2)などです。
具体的には、「差押えの解除の要件」(第79条関係)で、
1)直前の見積価額の決定時点からその財産の価格を形成する
要因に変化がなく、また、新たな要因がないと認められる場合等、
その見積価額を変更する必要がないこと
2)原則として、複数回にわたって上記
1)の見積価額により換価に付していること、について、
「更に換価に付しても入札又は買受申込みがないと認められる場合」
に該当するとの、項目を新設しています。
さらに、再公売(第107条関係)でも、「見積価額の変更」は、
直前の見積価額の決定時点から公売財産の価格を形成する要因に
変化があると認められる場合、新たな要因がじ後に判明した場合等、
その直前の見積価額により公売することが適当でないと認められる
場合に行うものとする、とともに、「必要があると認めるときは、
市場性減価を見直して見積価額の変更を行うものとする」と、
より明確な指針を示しています。
この件に関する詳細は↓
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=410220003&Mode=0
e-Taxの普及拡大については、同計画における目標値をクリアするため、
1)電子証明書等特別控除の創設、第三者作成の添付書類の送付不要、
税理士等による代理送信の場合には納税者本人の電子署名の省略可能
2)e-Tax体験施策の導入やe-Taxを利用した還付申告書の処理期間短縮、
所得税確定申告期・法人等の申告が集中する5月末における受付時間の延長などの
法律及び(税務当局における)執行面での改善のほか、税理士会、法人会などの
関係民間団体と一体となってPRが行われてきました。
重点手続きの主な内訳をみると、申告関係では、「所得税」が784万件(同28%増)、
「法人税」が127万件で(同30%増)、「消費税(個人)」が55万件で同(24%増)、
「消費税(法人)」が145万件で(同30%増)などのほか、
法定調書が137万件で(同27%増)となったものの、申請・届出等での
「開始届出書」は397万件(同10.9%減)となりました。
この結果、同年度におけるオンライン利用行動計画の重点15手続における
e-Taxの利用率は前年度の36.6%から8.8ポイント上昇の45.4%まで上がりました。
ちなみに、手続別での利用率の上位は、「酒税申告」87.3%、
「消費税申告(法人)」73.5%、「印紙税申告」66.3%、
「利子等の支払調書」64.3%などが高く、「法人税申告」は48.9%、
「所得税申告」は39.7%となっています。
重点手続に関しては、電子証明書などの認証基盤等の大幅な拡大や
市町村の大部分でeLTAX(地方税ポータルシステム)が導入されることなどの
前提条件付ではあるものの、平成25年度に利用率65%とする目標値が設定されており、
国税当局としてはこれからが正念場となるでしょう。